数学雑談:微積の復習はじめました.

 ブログ作ったはいいがすっかり存在を忘れていました.なんか特に話すこともなかったので最近始めた微積の復習の話でもしようと思います.

 こんなタイトルですが,1,2年真面目に勉強やっとけよとか今のうちに復習しとけよとか説教臭い話はするつもりはないです.微分積分の復習って今やると意外と面白いなぁって話です.

 まぁ流石に僕のゼミとかの内容上\(\varepsilon-N\)とかそのへんから復習とかはしていないですが,うちの大学で言う微分積分ⅡとⅢは全くと言っていいほど理解してなかったので,思い立ったが吉日,初めてみました

 微分積分Ⅱの内容で特に曖昧だったのが,陰関数定理と逆関数定理でした.どちらも証明が大変だったことは覚えているのですが,それ以外は全く覚えてませんでした.これら二つの定理は兄弟というか表裏一体というかといった感じで,どちらかを気合で証明すると,どちらかはその系として出てくるという関係性が面白い定理ですね.それぞれの主張は次のようになります:

陰関数定理(若干ごまかしver)\(U\)を\(\mathbb{R}^{n+m}=\mathbb{R}^n\times\mathbb{R}^m\)の開集合とし,写像\(F\colon U\to \mathbb{R}^n\}\)を\(C^r\)級写像とする.\(U\)の点\(p=(a,\ b)\)に対して,\(F(p)=0\)かつ,\(n\)次正方行列\[\frac{\partial(F_1,\cdots ,F_m)}{\partial(y_1,\cdots y_m)}=\left(\frac{\partial F_i}{\partial y_j}\right)_{i,\ j=1,\cdots n}\]の点\(p\)においての行列式が\(0\)でないならば,\(p\in V\times W\subset U\)なる\(V\in\mathcal{O}(\mathbb{R}^n)\)と\(W\in \mathcal{O}(\mathbb{R}^m)\)と\(C^r\)級写像\(g\colon V\to W\)が存在して\(F(x,\ g(x))=0\ (x\in V)\)かつ\(g(a)=b\)を満たす.

 

逆関数定理\(U\in\mathcal{O}(\mathbb{R}^n)\)とし,\(F\colon U\to\mathbb{R}^n\)を\(C^r\)級写像とする.今\(p\in U\)で\(F\)のヤコビアン\[JF=\det\left(\frac{\partial F_i}{\partial x_j}\right)_{i,\ j=1,\cdots n}\]が\(0\)でないならば\(p\ U,\ F(p)\in V\)なる\(U,\ V\in\mathcal{O}(\mathbb{R}^n)\)が存在して\(F\)の\(U\)上の制限\(F|U\colon U\to V\)は\(C^r\)級微分同相写像であり,ヤコビ行列は\(dF^{-1}=(dF)^{-1}\)を満たす.

 

陰関数定理を若干ごまかしverと書いたのは\(g\)が満たす関係式がもう一つあるからです.まぁ書くのめんどくさいのでゆるして()

陰関数定理から示す場合,まず\(F\)が\(\mathbb{R}^{n+1}\)上の実数値関数であるときに示します.これは上の主張でいうところの\(m=1\)にあたります.これを示すと,上の定理は\(m\)についての帰納法により示すことができます.ですが大抵は二変数実数値関数のときのみ示すのが微積では普通ですね.ていうか微分積分ではこのあとにあるラグランジュの未定乗数法を示すためだけに出すことが多いです.

 では上の形をやってもあまり意味がないのかというと、まぁ微分積分でこの形を使うことはおそらくないと思いますが多様体を学ぶときにこの形を知っていると,多様体逆関数定理と陰関数定理は楽ができます.そして陰関数定理(正確にはそれにより従う埋込み定理)は多様体製造機となります.

 多様体であることをまともに示そうとするとくっそだるいので,埋込み定理は一つ多様体を構成する楽な方法の一つとして有用です.(幾何弱者並の感想)

 なんか何の話したいのかよくわかんなくなってきたのでこの辺で終わります.()